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『トランスフォーマー 最後の騎士王』

長い映画を劇場で観る気がしなくなったのは、年齢的に途中でオシッコしたくなる事が多い為。
中座している時に良いシーンがあると、悔しいものだ。
今日は思い立って、途中で寝ようがオシッコ中座しようがストーリー理解の妨げに ならなそうだが、上映時間は2時間半近くもある『トランスフォーマー 最後の騎士王』を観た。

このシリーズ、市街地でメカ(サイバトロン=オートボット)同士ガッシャンガッシャン戦うのが最初は面白かったが、毎回 映画の尺が長い上にバトルもクドいので、1作目と3作目しか劇場で観ていない。
今後は、DVDかテレビスルーで済まそう!という気分だったが。
5作目となる本作はアーサー王伝説が物語のキーで、ブリティッシュ志向。悪くない。
英国の名優で79歳になったアンソニー・ホプキンス翁が、アメコミ映画『マイティソー』シリーズ出演の縁か、本作にも。登場場面は多く、じいさん元気だなぁ!

中盤は海底が舞台で、潜水艦も活躍。J・キャメロンの海洋SF『アビス』(1989)の忘れがたい特撮シーンが、オマージュとして最新VFXで再現されるのが見どころ。
ラストの舞台はストーンヘンジのある広大な草原で、地球壊滅のために宇宙から木の根っこというかハチの巣みたいな超巨大構造物が錨の如く降りてくるビジュアルが良かった。

人類側の兵器では、オスプレイが活躍。
新登場サイバトロンでは、コグマンというC3POみたいな人間タイプが目立っている。
葉巻(のように見える銃弾)くわえたヒゲの巨漢鬼軍曹みたいなのは、ハウンドという名なんだね。
12体の騎士サイバトロンが合体して誕生する三つ首ドラゴン(ドラゴンストーム)のCGデータは、来たるゴジラ映画のキングギドラに応用されるのかな?

J・KOYAMA * ターンノーン通信 2015〜 * comments(0) * pookmark

ガラモンのマーキング柄 問題

6月発売の「特撮秘宝」6号(洋泉社)、今回も濃かったが。
読んですぐにDVDでチェックしたくなったのが、『ウルトラQ』(1966)の人気エピソードで放送順だと16話「ガラモンの逆襲」マーキング柄 問題である。
遊星人が地球侵略のため送り込んだ、ロボット怪獣ガラモンが複数体登場し東京で暴れる人気エピソードだ。

1体しかないガラモンの着ぐるみを、複数に見せるため。
胸に、⚓とΩ記号風のマーキング(シールであろうか)がされた2体は よく知られていたが、東京エリアに落ちたガラモン輸送の隕石カプセル・ガラダマは4個あったのだ。
東京湾に出現したのは別個体と分かるが、ビル街の合成カットで同一画面に2体現れるうちの1体は、ドライブインでテレビに映っていたヤツだと思っていたのに…また別の個体だったんですね。

マーキング無しと思われていた2体。
テレビに映ったガラモンは、首にブローチ風の丸いマーキング。
東京湾のガラモンは、腹に縦3本線マーキングが あったとは!
ファンコレや大全集のメイキング写真も改めて見直せば、鮮明ではないが、マーキングらしき何かが写ってた。
う〜む、何で今まで気付かなんだ?

今回の発見者・金田益実氏は、多くの特撮関連書籍を送り出している権威。
その人が、アイパッドなどの携帯機器で番組が手軽に視聴できるようになり ようやく気付いたんだから、市井の1ファンが気付かないのも無理はない。
竹内博やヤマダマサミ(「ガラモンは40メートルという設定なのに、333メートルの東京タワーを破壊するシーンでミニチュアと縮尺が合っていない点」について、この1体だけは200メートルサイズの特大個体であるという解釈を出した。『進撃の巨人』の、サイズが まちまちな巨人っぽい考え方ですね)ら特撮評論の功労者、ディテールに敏感なガレキ造形家たちも気付いてなかったんだろう。

1970年代中盤から起きたウルトラシリーズ再評価ムーブメント以降、制作に携わった多くの円谷プロ関係者にインタビューや原稿が依頼されて来たのに、デザイナーの成田亨ですら触れてなかった今回の件。
皆、マーキング程度のコトは、記憶の範疇から抜け落ちていたんだな〜。

J・KOYAMA * ターンノーン通信 2015〜 * comments(0) * pookmark

復活の日、近し? 小林信彦

「週刊文春」の、通しタイトルが 本音を申せば に落ち着いた長期連載エッセイが5月から休載中の小林信彦。
理由は明かされず84歳と高齢のため、ファンは様々な憶測を飛ばしていた。
だが、文庫本の解説を依頼された えのきどいちろう が、Jリーグチーム ホームページ上で書いているコラム「アルビレックス散歩道」によると、

小林さんは体調を崩されて目下、「文春」連載を休載しているが、ちくま文庫の編集者によると「スパルタなメニューに文句を言いながら順調にリハビリ中」

とのことで。
書庫に資料を取りに行く途中で転倒、利き腕を骨折(原稿は手書き執筆なので、書けなくなった)…ですかね?
たしか、10年以上前の「文春」連載でも、「転倒」という回があったはず。
休載のお断りを見たときは、来るべき日が来た?と思ったが、どうやら復活の日は近いようだ。

小林は、老舗和菓子屋の跡取りだった父が戦後、50歳で早世した事を原稿に何度も書いているので、短命の家系という認識を持つ人が多いと思うが。
実は再刊されてないエッセイ集に、長命の家系であるとズバリ書かれたものが収録されてるんですよね。
家族史である著書「和菓子屋の息子」(1996)には、1954年に亡くなった母方の祖父が、享年82とある。
小林は喫煙者だったが、紫煙で発熱するようになり早くから禁煙。パーティや宴会は欠席して煙害を避け(取材や対談相手の喫煙は許容範囲)、ダイエットなど健康管理もする慎重さで、先祖を超える長寿を目指している…と私は見ていた。

編集者・放送作家を経て作家になった人ではあるが、推理小説やミステリを始めとする本はもちろんのこと、喜劇・映画・ショウビズ(落語、漫才、舞台など。興味はラジオにも及ぶ)の見巧者で、早い評価と優れた論評の数々が20代から有名。
年をとっても、若手女優やアイドルへの興味を捨てぬオタクっぷり。
但し。気難しいというか、疎開体験・オタク気質から来る被害者意識というか。
一度は高く評価したタレントや映画作家の姿勢や発言に気分を損ねたら、良い作品もあるのに全く取り上げないか、ある時期から ほぼ無視状態・冷淡になる(古くは寺山修司、白坂依志夫、花田正輝、立川談志がそうだろう。「この人の仕事には興味が持てない」とした伊丹十三、「たけしを小林の娘が褒めていたと。褒められたとはいえ、娘がそんなに偉いのか」と対談で皮肉られたのを知り袂を分かった格好のビートたけし、最近では亡くなった大橋巨泉への冷たい書きっぷりも)ケースが多いのは、皆様ご存知の通り。
後に どれだけ偉業があろうとも、その人たちが亡くなる日まで続く、徹底的で恨み骨髄なシツコさである。
萩本欽一や伊東四朗は、評価が持続している例外と言えるか。
「文春」の長期連載エッセイも、一見クロニクルのようでいて抜け落ちが多い、小林の自分史なのだ。
ま、それで良いのだが、小林はコト映画評に関しては権威者という位置にあるから、寂しくもある。

ひと頃より、引いた読者になって久しい私ではあるが…。
でも もう少し、この人の映画評(特に、忘れられた古い映画をDVDなどで再見、解題してみせる時は さすがだなと思う。病床で思い出した映画的記憶もあろう)と、先立ったタレントや旧友への追悼文(森繁みたいに、96歳まで頑張れるかも)は読みたいので。
年内の再登場を待つ次第です。

※ 小林が娘をレーダー代わりに、ギャグやら芸人やらマンガやら面白いものを見つけている…というような話が「笑学百科」(1982)で書かれており、たけしはコレを皮肉って対談で語ったと思う。
たけしが1994年8月のバイク事故で亡くなっていたら、小林は追悼文をどこかで書いたろうか。

J・KOYAMA * ターンノーン通信 2015〜 * comments(0) * pookmark

突撃キャメラマンの栄光と死、『ぶっつけ本番』

1956年?に品川駅で取材撮影中、列車に はねられ亡くなった実在のニュースキャメラマン・松本久弥(劇中では松木。キネ旬引用の資料では松井久弥とあるが、松本が正しい)をフランキー堺が演じた、佐伯幸三監督『ぶっつけ本番』(1958.6 東京映画=東宝)を観た。

松本が所属した日本映画新社が協力し、下山事件(松本が線路上で亡くなったのは、この事件を撮影した因縁じゃあなかろうか?)や血のメーデー事件など、彼が撮影に関わった有名なニュース映画も挿入。
原作は、水野肇 小笠原基生 著の「ぶっつけ本番 ニュース映画の男たち」(1957 ダヴィッド社)。小笠原は日映の人らしく、昨年観て衝撃を受けた『にっぽん戦後史 マダムおんぼろの生活』(1970 東宝)などを制作している。

フランキーは、突撃キャメラマンを熱演。
清水港で炎上沈没するタンカーに乗り込んでまで撮影とか、マラソン選手と自転車で並走し手放し運転で撮影とか、撮影に熱中し出航する南極観測船・宗谷から降りられなかったとか…イヤー凄いです。
彼が負傷した1952年5月の「血のメーデー」は、記録映画と再現モブシーンのマッチングが良く、臨場感あり。
天津敏 内田良平 吉行和子(JMDBの出演作リストでは本作がトップだが、デビュー作ではない)といった、東宝らしくない顔ぶれも出演。
赤線のゲリラ撮影、パンパン役・塩沢登代路のメイクがロバート秋山のキャラ YOKO FUCHIGAMI を思わせ、笑えます。

※ 松本は生前、『朝日ニュース第423号 お迎えさん』の撮影で1953年度の日本映画技術賞も受け、死後は功績を讃える意味で1957年2月に第7回ブルーリボン特別賞を受賞したという(日本映画新社としてだが、彼が関わった下山事件のニュース映画『日本ニュース第182号々外 国鉄下山総裁謎の死』と血のメーデー事件のニュース映画『朝日ニュース349号 東京メーデー事件』の撮影も、日本映画技術賞を受けた)。
本作のエンディングは その特別賞授賞式風景だが、氏の受賞はウィキのリストに漏れている。

J・KOYAMA * ターンノーン通信 2015〜 * comments(0) * pookmark

バイオレンス映画の佳作『野獣を消せ』と三億円事件

チャンネルNECOでやっていた、渡哲也主演 長谷部安春監督『野獣を消せ』(1969.2 日活)は期待せずに観たが、ハードなバイオレンス活劇で驚く。

ベトナム戦争の時代、米軍基地の町(福生らしい)。
冒頭、着陸する米軍輸送機からパンし、空き地にやって来るチンピラグループ(藤竜也 川路民夫 集三枝子 尾藤イサオほか)のジープやバイクが映るキャメラワークが凄い。このタイミング、何回も やり直したんだろうね!
撮影は、姫田真佐久だ。
空き地のゴミ捨て場に連れ込まれ、レイプされる娘(吉岡ゆり)。
彼女は悔しさから、コークの瓶を割って尖らせ、自殺した。
チンピラは、瓶も使って陵辱したんじゃ…などと妄想した私。

妹の死を知った、プロハンターを業とする兄(渡哲也)が帰国。修理工場をしている叔父のところに やって来るが。
レイプ犯は分からずじまい。
チンピラグループに絡まれているのを助けた、親と不仲の金持ち娘(藤本三重子、歌手らしい)と仲良くなる渡。
奴らが妹をレイプしたことを渡が知るのは、娘と一緒にアジトへ監禁される中盤になってからだ。
米軍ハウスの白人女まで毒牙にかける連中だから、そんな事など日常の一コマであったろうが…。
かくて、ハンターの本領を発揮した渡の壮絶な復讐戦となる。
マカロニウエスタン並みの残酷描写。
トラバサミの罠、銃撃で尾藤の腕が吹き飛び、藤はスケの集とジープで突っ込んで来るところを眉間に一発、川地に至っては腹に食らいモツをはみ出して絶命する描写!スプラッター映画史に記録したい。
渡の弟分で聾唖者の修理工はジョー山中、城アキラ名義での出演。彼は実際に修理工として働いていたことがあるという。
叔父の工場長 鶴丸睦彦はあまり見ない老優だが、民芸の人らしい。

娘の身代金受け渡しや警察の捜査場面には、映画公開の3か月前に起きた三億円事件(1968.12)のムードがただよう。
撮影時、事件はもう起きていたかも。
当時、犯人ではないかと捜査の対象となるが自殺したという19歳の少年S(仮名で関根篤と書かれた本も)は、福生や横田基地あたりを根城にしていたチンピラ・立川グループの一員と聞く。
暴走行為や自動車窃盗、米軍物資の横流し(三億円は、そのルートで基地内に隠されたという説も)したメンバーもいた、映画に出てきたようなワルの仲間だったようだ。
当時 福生は、本当にあーいう連中が徘徊する怖い町だったんですね。

※ 藤本三重子も集三枝子も、オッパイが見えるサービスカットあり。
実生活で集のダンナは、大物イラストレーター宇野亜喜良!
藤本は現在、カルチャーセンターで歌を教えているようだ。
冒頭にレイプされる吉岡ゆりは大阪出身、後に『帰ってきたウルトラマン』『人造人間キカイダー』ゲスト歴あり。

J・KOYAMA * ターンノーン通信 2015〜 * comments(0) * pookmark

川越美和の死に思う

思い入れのないアイドル歌手・女優だが、川越美和が孤独死していたというワイドショーの報道を昨日観た。
元は「週刊女性」の記事で、亡くなったのは昨日今日じゃなく、2008年4月のことだ。

彼女の全盛期は、全く知らない。
山下敦弘監督『松ヶ根乱射事件』(2007.3)出演で記憶しているのみだ。
私がチャンネルNECOでこの映画を観た時には、もう亡くなっていたんだね(2008年夏に録画した時のメモを見返すと、当時すでにネットで死亡説が出ていたそうな)。
1990年代の信州。のどかに見える雪の田舎町の、どろどろ『ブルーベルベット』的な裏側。『ファーゴ』へのオマージュもあるだろう。
交通事故に遭い、赤いコートを着た川越が雪の中に倒れているところから物語は始まる。
男子小学生が見つけ助けるかと思ったら、なんと胸元やスカートの中に手を…。
批評では当時 無駄脱ぎと書かれていたと思う、病院で検死中に蘇生するボカシあり全裸シーンも、抱えた負債とかあって、覚悟の末の事だったか(といっても初ヌードではなく、ウィキによると2000年ごろからハダカの仕事も増えていたようだ。今なら、AVで再起という選択肢もあったろうな)。
まさか、映画公開の翌年に転居先の安アパートで亡くなっているのを発見され、ホントに検死されちゃったとはなぁ…。
カタギじゃない恋人役を演じた木村祐一が、今後 何かコメントするかも。

なお、最後の映画出演作で芸能界引退作でもある実写版『ゲゲゲの鬼太郎』(2007.4)は、ウィキに “途中降板” と書かれているが。
井上真央 演じるヒロインの亡母役(父役は利重剛。劇中で一旦死ぬが、霊安室で蘇生する)なのは、確かだった。
降板でも代役を立てず、出演シーンのシナリオが変更されたんだろうか?
劇中では、なんと仏壇の遺影として登場する。
孤独死が明らかになった今 思えば、未来が予測されていたような出演シーンに言葉が出ない…。
享年35。

J・KOYAMA * ターンノーン通信 2015〜 * comments(0) * pookmark

『荒野の七人』で、ブリンナー & マックイーン vs コネリー ?

イマジカBSでマカロニウエスタンを観た後、『荒野の七人』特集の予告が流れていたが。
あるカットを観て、フト思い出した事が。
調べると2012年、YAHOO知恵袋で同じ事について質問した人がいた。それを一部補足し、転載する。

●『荒野の七人』(1960)についての質問です。
クリス(ユル・ブリンナー)とヴィン(スティーヴ・マックイーン)が出会うシーン、葬儀屋の馬車でブーツヒルの墓場へインディアンの死体を運ぶ名場面がありますが、埋葬を許さぬ5人の男達が門前で銃を構え立ちはだかりますね。
その中に、なんと無名時代のショーン・コネリーがいるらしいのです。
昔に買ったサントラのカセットテープの中のライナーノート(解説文)にそう書かれているので本当なんだろうとは思うのですが、映画を何回観ても どの人がコネリーさんなのかわかりません。
もう何年も気になっていて、気持ち悪いんで宜しくお願いします。

その答えとして挙げられたサイトには、

●『荒野の七人』のサントラLPの解説に載っていた記憶があるのですが、ブリンナーとマックイーンが最初に出会って馬車で墓地に向かうシーン。
この時、墓地にいる5人の悪役の1人が、どうやら後のジェームズ・ボンド、ショーン・コネリーらしいのです。(左から3人目の、少し奥にいるのがコネリーらしい)

とあった。

私は このサントラLPを買っていないが、1970年代の中盤に知人とレコードを貸し借りしたとき 借りてライナーを読んでおり、感心した記憶がある。
その頃、怪獣ファンを強制卒業させられ映画ファンに転じた私は、映画雑誌で『七人の侍』に駆け出し時代の仲代達矢、『ベン・ハー』に無名時代のジュリアーノ・ジェンマが映っていたとかいうトリビアに夢中になっていた。
コネリーにも そういう時代(イギリスでは脇役ばかりなので、渡米しチャンスをうかがっていた時の端役出演とかね)があったんだろうなぁ…と思い、それっきり忘れていたが。

今回、調べてみると。
芳賀書店から出たコネリーのシネアルバム、フィルモグラフィーに『荒野の七人』は無かったし、何よりウィキやIMDbを検索閲覧しても、絶対マニアなら書きたくなる この件に関して、載っていないのはヘン。
そこで、YouTubeで この場面を改めて観直すと…最初に5人の悪役が映るカットで左から3人目の男…ってゆーか中央に小さく映ってる男、引きの画でコネリーに見えない事もないが、その後のアングルを変えたカットで見ると明らかに別人。
セリフも目立ったアクションもなく、つっ立っているだけ。誰なんだ?

件のライナーを収録したLPだが、ユナイトレコードの「永遠のサウンドトラックエリートシリーズ」の1枚では。
『荒野の七人』の題ではあるが、実質は同一メインテーマを使用した『続・荒野の七人』(1966)音源の盤だったようで、ジャケも『続・荒野』の写真使用。
この中に入っていたライナーは確か1枚紙、筆者はブルース・リー関連記事の執筆で私たちの世代は忘れられぬ、サントラ盤コレクターでもあった日野康一氏と記憶する。 
学習院大卒、映画宣伝部からライターの道へ。2010年に81歳で亡くなった。シネアルバムの編集やヒット映画のノヴェライズ化、大全科シリーズ執筆など、活動は多岐にわたる。
何処でこの「知っている人がいたら、かなりの映画通」トリビアを聞き込んだのか?
あれ ⁇ 先に挙げたコネリーのシネアルバムって、日野氏の編集だよ!

今回IMDbを見ていて、気付いたことが。
墓地の5人の中に、ジム・デイヴィスがいるというのだ。
リパブリック映画出身で西部劇の大物脇役、『荒野の七人』の頃はすでに有名で、テレビ・映画に活躍。
1960年当時ならアメリカで、ブレイク前のマックイーンやコネリーよりも知名度が高い中堅俳優だったと思われる。
『果てしなき蒼空』『エル・ドラド』『モンテ・ウオルシュ』『クワイヤボーイズ』。
1981年に亡くなるが、晩年は人気テレビシリーズ『ダラス』に出演していた。
撮影現場に居合わせ、カメオ出演という線が考えられる。撃たれて流血する男かな。なお、他の4人の役者名は不詳。
日野先生、デイヴィスとコネリーを間違えたんだろうか?永遠の謎です。

最近この手のトリビアで驚いたのは、クリント・イーストウッドの無名時代出演作に、『眼下の敵』(1957)が加えられていたこと。
昔の文献では入ってなかった。
慌てて再見したが、ロバート・ミッチャム艦長の駆逐艦水兵役でワンカット映っているよう…です。

J・KOYAMA * ターンノーン通信 2015〜 * comments(0) * pookmark

ロモロ・グエッリエリ監督のマカロニウエスタン2本

イマジカBSでやっていた、ロモロ・グエッリエリ監督のマカロニウエスタン2本を観る。
『皆殺し無頼』(1966)と『二匹の流れ星』(1967)だ。
日本では共に1967年公開、制作が後の『二匹』が『皆殺し』より数か月先に封切られた。
前者は昔テレビで観た記憶あり、但し全長版は初見。後者は今回が初見。

『皆殺し無頼』は、ハリウッドから出稼ぎのマーク・ダモンとローレンス・ドブキンが主演。
ドブキンは『地球の静止する日』『放射能X』や『十戒』の端役から徐々にステップアップする一方、早くからテレビで監督業もしていた人。
ホラークイーンのような悪女ロザルバ・ネリが登場し、ちょっと毛色が変わった作品だ。
オープニングのクレジットはドイツ語、発声は英語版の素材であった。

『二匹の流れ星』は、のちにサルタナという当たり役を得るジャンニ・ガルコがゲイリー・ハドソン名義で主演。ジャンゴを名乗る賞金稼ぎを演じるが。
カモメが飛んで青く美しい海が映る、意表を突くオープニングが素敵。砂浜で『ハリーの災難』風に、裸足をこっちに向け寝ているガルコ!
『続・荒野の用心棒』のヒロイン ロレダナ・ヌシアクが出ているが、フランコ・ネロ演じたジャンゴと本作のジャンゴは全く関係がない。
ガルコと認め合い、「我々は宿命(さだめ)の流れ星だな」なんてセリフを吐く悪党一味のリーダーは、クラウディオ・カマソ。
馴染みはないが、ジャン・マリア・ボロンテの6つ年下の弟と言われれば、似てる!と納得。
1977年に喧嘩で殺人を犯し、逃亡後に自首。刑務所に収監されるが、独房で首吊り自殺してしまったとIMDbに書いてあった。享年37。
その父を演じているのは、おなじみフェルナンド・サンチョ。
一味にさらわれた名士(牧場主)の娘が、カマソといい仲になっていて、せっかくガルコが助け出したのに舞い戻るというくだりも。
ジャンゴの命を救い、恋仲となる女性ロレダナ・ヌシアクを早々に殺す(彼女の死体を見て、涙ぐむジャンゴ!)展開も、興味深かった。

2本のマカロニウエスタンで、ステレオタイプな女性描写を外して見せたグエッリエリ監督の次作は、エロチックな現代サスペンス劇『デボラの甘い肉体』(1968)。この映画も、翻弄される女性を描いたと見せて最終的に悪女モノ…と言ってよい。

両方の作品に助演、主役のパートナーという美味しい役を演じているのは、フィドール・ゴンザレス。
『皆殺し』では、メキシコ農民風で登場。ダモン演じるジョニー・ユマと出会って同行、ラストは一緒に悪女の死まで見届ける。
『二匹の』では、賞金首用の手配ポスターを作ってる写真師。捕まり、首まで埋められサソリ責めされてるガルコを掘り出し救うが、カマソの子分に撃たれていたようで。
以後、登場しない。彼はガルコを助けたあと死に、そのシーンはカットされたか?
ゴンザレスはIMDbで1972年までの映画出演歴を確認できるが、生年やキャリアは不明。短期間活躍した、イタリアのコメディアンかもしれない。

J・KOYAMA * ターンノーン通信 2015〜 * comments(0) * pookmark

『女囚と共に』を巡るアレコレ

日本映画専門チャンネルで、久松静児監督『女囚と共に』(1956.9 東京映画=東宝)を観る。
素晴らしい!掛け値無しの豪華女優共演による、女子刑務所群像劇。
なんせ所長が田中絹代、保安課長が原節子である。
目立ってる看守は菅井きんである。
子を亡くし、房内で首吊り自殺する女囚が岡田茉莉子である。
レズっ気のある女囚が淡路恵子である。
後述する以外の女囚に、木暮実千代 千石規子 浪花千栄子。

ブラ姿を見せる、麻薬でイカれた踊り子の女囚は谷洋子だ。キネ旬の紹介では、パリから帰ったばかりとある。
フランス生まれの帰国子女で、今は忘れられた国際女優、これが日本映画初登場。本作ではズベ役だが、良家の出。
津田英学塾(現 津田塾大学)に進み、英語を身につける。
戦後の一時期は、母校の東京女子高等師範学校附属高等女学校(現 お茶の水女子大附属中学・高校)で英語教師もしていたらしい。
カトリックの給費生となり渡仏、パリ大学(ソルボンヌ!)留学中、ショウビズの道に惹かれナイトクラブダンサーに。
出来て間もないクレイジー・ホースにも出演、ゲイシャ・キモノダンスでウケを取る。
名匠マルセル・カルネ監督に見出され、1954年からフランスの舞台、映画にも脇役出演。
カンヌ映画祭で本作の監督である久松や黒澤明とコンタクト、一時帰国しこの映画に出た後は、東宝で もう1本『裸足の青春』に顔出し。
谷口千吉作品、当時の夫でフランス男優ローラン・ルザッフルも司教役で出演したが、谷はストリッパー役。
こりゃいかんと思ったか、フランスへ戻ってから開運。
ベトナムが舞台だがイタリアの撮影所で作られたハリウッド映画『静かなアメリカ人』出演をきっかけに、東洋的エキゾチシズムを売りにした国際女優として80年代まで活躍、ガンで99年死去。
ルザッフルと61年に別れた後、長く付き合ったロジェという恋人がいたそうで、ブルターニュ・BINIC (22) の墓地で一緒に眠っているという。
彼女の墓だが、まるで建築物のよう!裕福で幸福な人生だったのでは。

他に、中北千枝子や滝花久子も助演。
往年のアイドル 恵とも子の母・恵ミチ子が女囚役で出ていると書かれた資料も、但しオープニングにはクレジットされていない。

見応えがあるが、それは豪華女優陣や2時間半近い上映時間のせいだけじゃないと思う。作劇のお手本と言うべき、起承転結の構成が素晴らしく、余韻の付け方(冒頭、釈放されたあと挨拶に来た中北千枝子。ニッセイ?のおばちゃんに就職したのに…ラスト、また刑務所に戻ってくる!)も見事なのだ。
刑務所の慰安会。五木の子守唄の寸劇と、刑務所内で養育され芝生で無心に遊ぶ女囚の赤ちゃんを交互に見せるくだり。
反抗的だった女囚と刺されて瀕死の保安課長が輸血で繋がるという、ベタだが感動的な場面なんて上手すぎ。
これぞ「映画」です!参った。

クレジットは何故か無いが、ベースとなったのは、戦後GHQの意向もあり日本で女性初の女子刑務所長となった三田庸子(みた つねこ 1904〜89)が書いた「女囚とともに」。
アメリカ人の血を引きキリスト教信者で、夫を早く亡くしている。前職は女学校の舎監であった。
映画では特定されていないが、彼女が赴任したのは和歌山の刑務所である。
この本は、映画公開の前年に朝日新聞社より新書で出版された。
タイトルが、原作と映画では ちょっとだけ違う。ソコには大人の事情が働いているのだろうか?

驚くべきは脚本の田中澄江で、本作が公開された1956年9月11日の翌日、大映系で封切られた脚本担当作が『夜の河』。
さらに2ヶ月後の11月、東宝系で封切られたのが『流れる』。
日本映画史に残る作品であるのは言うまでもない。
この年は他に4本の映画脚本を書いており、驚異的なクオリティの仕事を残した年と言えよう。

内容ゆえ、男優陣の影は薄い。
刑務所職員に十朱久雄と上田吉二郎。
原節子の前夫に伊豆肇。
赤ちゃんもいるのに、久我美子の前科を知って三下り半。別の女と結婚した無情な男が、滝田裕介。彼女は絶望し自殺覚悟で男の新居に放火する。
倒れた収監中の恋人・安西郷子の死に目に会えなかった青年が、加藤春哉。
香川京子の恋人で村祭りに行くのは、ナント天津敏(キネ旬のデータで この役は、松尾文人になっている)。
孤児の香川を引き取り育てた養父でありながら犯し、彼女に殺されるのが小杉義男。

ラスト、模範囚だった香川は、請われてバツ2の教師のところへ嫁入りする。
画面には出てこない この男、「今度は ちょっと苦労した人を求む」だって!
そーゆー依頼を、厚生委員のオバサンにするのが驚きですが。
地位はありそうだけど…彼女は、今度こそ幸せになれたのでしょうか?

東宝技術部のクレジットは無いが、久我の放火で炎上する家と刑務所夜景カットで特撮あり。

J・KOYAMA * ターンノーン通信 2015〜 * comments(0) * pookmark

『キングコング 髑髏島の巨神』

『キングコング 髑髏島の巨神』を観に行く。
アイマックスで3D上映の時間帯と知らず、追加料金で散財。
怪獣ファン絶賛と聞いていたが、映画としては間延びしたドラマ部分も多く、20分はカットしてほしかったなぁ。

2014年版『ゴジラ』にも登場したアメリカの秘密組織モナークの依頼で、傭兵や女性カメラマンや“ベトナム戦争ロス”の兵士たちも含めた調査隊が、謎の島に向かい、島の神であるキングコングや怪獣たちと遭遇。酷い目にあう。
時代設定は1973年。

・コングが湖から現れた大ダコに襲われるが、倒して足をクチャクチャ食べるシーン
・前脚だけのトカゲ・髑髏クローラー(スカルクローラー。デザインは、カオナシやエヴァの使徒に影響を受けているらしいが、SWのモンスターチェスの1匹に似てる気がする)と生き残った人たちの戦いで、自爆覚悟で残り立ち向かったニヒルな兵士(シェー・ウィガム)が尻尾で崖にポーンと飛ばされ、ドカーン!と無残な最後を遂げるシーン
…が印象的。
竹やぶの足長大蜘蛛が、兵士を『食人族』の一場面みたいにグサリと貫くカットや、『博士の異常な愛情』で有名な ♪ また会いましょう が流れるシーンなど、この手の映画マニア向け くすぐりも。
ムートー massive unidentified terrestrial organisms (M.U.T.O) という単語の訳が、未確認巨大陸生生命体であるとされた。

髑髏クローラーは、舌を内臓ごと引っこ抜くと即死するようだ。
ランホリンクス系怪鳥の群れが、一件落着後にダメ押しで川を下る生き残りを襲うのではと思ったが、それは無かった。
ふと思ったけど。MIYAVIが演じていた日本兵(名は、碇!)の遺児が、渡辺謙 演じる『ゴジラ』の本多博士だった…という設定じゃないのかね?

ともあれ、ちっとやそっとの銃撃ではビクともしない怪獣たちは日本人好み。
長いエンドタイトル後に写る、モンスター壁画を拝んでから席を立つべし。

※ エンドタイトルに、2014年版『ゴジラ』にも参加していたジョン・ダイクストラの名を見つける。役職は、同じVFXアドバイザー(なぜかIMDbのリストには漏れている)として。
さらに、ほぼ同時期公開の『ゴースト・イン・ザ・シェル』にも…。
老いて盛んな、特撮一代男!

J・KOYAMA * ターンノーン通信 2015〜 * comments(0) * pookmark

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