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『日本一のホラ吹き男』に百窓らしき写真?

NHK BSプレミアムで、『日本一のホラ吹き男』(1964.6 東宝)を久々に観た。
今回チェックしたかったのは ただ一点。以前 私のブログに、この映画で百窓らしき完成予想図?が、会社の偉いさんの部屋に飾ってあるというコメントがあったからだ。
確かに!益増電機の総務部長室の壁に予想図ではないが、丸窓がたくさん付いた建物の建築中モノクロ写真が写るカットが2ヶ所。クレーンのようなものも写っている。
百窓は1965年7月着工 → 66年5月完成ということで、時期的に合わず違うが、似ている。コメントの人、映画の細部をよく見てるなぁ。
植木等に座り読みされる本屋の親父は、坂本武。
閑職である資料室のチーフは、三井弘次。

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古賀新一の死を知る

3月に、恐怖マンガ家の古賀新一が亡くなっていたとは。享年81。
福岡出身、作画技術は独学で習得し、貸本→少女漫画誌→少年誌へと進出。
2011年の秋には、銀座で個展とトークイベントも開かれた。
2ちゃんの追悼板で

人間の骨を粉にして給食に混ぜたら 
食ったやつの腹に人の顔が浮き出てきたみたいな話だけ覚えている

と書いていた人がいたが、これは私が幼い頃に読んで震え上がった、作者不明トラウママンガの1つではないか?
少年誌の別冊で読んだような。たしか養鶏場が火葬場の裏にあり、経営者の婆さんは貰い受けた骨粉を密かにエサに混ぜ、ニワトリを飼っていた。そのニワトリをさばいて食べた男(婆さんを殺し、カネを奪う展開があったかも)に人面瘡ができる…という筋だったような。
火葬場の骨粉の件は、ラストで明かされる展開(冒頭から描かれていた煙突が伏線)だったはず。
あと、ひばり書房の本で読んだ、山中で私営火葬場を営む夫婦に引き取られた孤児少女の恐怖譚も忘れがたい。

私にとっての古賀新一は、エコエコアザラクじゃなくて火葬場恐怖マンガの人であった。

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『戦後最大の誘拐 −吉展ちゃん事件−』

チャンネルnecoにて、土曜ワイド劇場の枠でやった『戦後最大の誘拐 −吉展ちゃん事件−』(1979.6)を録画していたが、ようやく観る。
1963年3月の終わりに発生し、解決まで2年以上かかった事件を扱った実録物。
本作で俳優として名を上げた泉谷しげる、イーライ・ウォーラックみたい。
犯人の役名は小原保のまま、変名にしていないが読みが違う。実際はコハラだが、劇中ではオバラと言っていた。
当時の新聞記事もバッチリ写っている。撮影は、のちに黒澤組となる上田正治。そういえば小原は、事件と同月に封切られた『天国と地獄』予告編を観て犯行を思い立ったそうだ。劇中にはポスターも登場。
ラストにチラッと映る草薮は、1971年12月に死刑となった小原の墓か。
恩地日出夫監督の力作、ナレーターは伊丹十三。
小原の彼女役・市原悦子と刑事(平塚八兵衛がモデル)役の芦田伸介は、事件解決の約1年後に作られた関川秀雄監督の実録映画『一万三千人の容疑者』(1966.9 東映)にも出演していた。
但し この作品、吉展ちゃんをはじめ実名は全て変えてある。犯人の名は小畑守、井川比佐志が演じていた。

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Cat walks

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栄光から傷だらけ『ジャーニーマン』

移動中に観た、『ジャーニーマン』(2017 日本で公開するの?)というイギリス映画が良かった。
Journeyman とは職人、腕・技術が優れている人、プロスポーツの世界では いろんなチームを渡り歩く選手のことだというが。本作での意味は…。

栄光のボクサーが試合で脳に損傷を受け手術するが、廃人同様になり私生活も崩壊。自殺未遂を起こすが、旧友トレーナーや家を出た妻の協力も得てリハビリ。立ち直って行く話だ。
ベタといえばベタだが、自宅で試合のフラッシュバックが襲い、愛児の鳴き声も気に障って洗濯機に閉じ込めたりするヒリヒリするような描写が凄い。
遂に自殺を決意したボクサーが、チャンピオンベルトを持って橋から川へ飛び込むところ。異常な事態なのに、彼の住む住宅街はガランとして止めるものは誰もいない。川面の揺らぎショットが不気味で良。
パディ・コンシダインという40代の英男優が脚本監督主演。ワンマン映画でボクシングもの、『ロッキー』のスタローンを意識したか?長編の監督は2作目という。90分強の尺も適切。
奥さん役のジュディ・ホイタッカーがキュートで印象的。

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コサックことチャールズ・サウスウッドは、タバコの害を訴える西部男だった

『荒野の無頼漢』(1970)という、マカロニウエスタン後期のコメディ調作品があって。
ジョージ・ヒルトン演じる主人公アレルヤが使う、ミシンタイプのマシンガンが有名だが、セクシーな尼僧やコサックという自称ロシア貴族まで登場する。
コサックを演じたのは、チャールズ・サウスウッドなる二枚目俳優。
どうせ、クリント・“イースト”ウッドにあやかったイタリア俳優の変名と思っていたが。
ウィキに項目があったので見てみると、以前書いたマカロニ俳優 トム・ハンターと同様、ロス生まれ オレゴン育ちの歴としたアメリカ人。しかもサウスウッドは本名だった!

1937年生。大学卒業後の60年代中盤、ヨーロッパで職探し中(フランスで港湾労働した事もあると書かれたサイトも)、ターザン役で知られ当時イタリアやドイツに拠点を移していたアメリカ俳優 レックス・バーカーのスタンドインとして映画界へ。
マカロニウエスタンなどで主役級に抜擢されるが、日本に紹介された作品は『荒野の無頼漢』以後なし。謎の俳優であった。
1981年、アニエス・ヴァルダの中編映画 Documenteur を最後に帰郷。俳優は辞め、大学教師と結婚し一男一女をもうけた。

面白いのは ここから。
オレゴンに戻って50代になったサウスウッドは、1991年に「デスシガレット」のアイデアを思いつく。
13〜40歳の間 喫煙者だった彼は、タバコの害について容赦なく、そして正直になることを決めたのだ。
1970年代後半に出演作が無いのは、彼に禁煙を決意させるような健康被害が出て、休業していたのだろうか?
73年にナタリー・ドロン クルト・ユルゲンスと共演した
Profession: Aventuriers 以降、しばらく映画出演していない。ショウビズの仕事に転身説もあるが、この年に恩人ともいえるレックス・バーカーが54歳で急死(心臓発作)しており、思うところがあったのか?

デスシガレットだが、健康に配慮した標準的な警告に加えて、棺のデザイン化とも言えるドクロとクロスボーンの付いた黒い小箱にタバコを詰めるというもの。
しかし、主要な米国のタバコ会社は彼のアイデアが「会社の利益とは相容れない」と当然のごとく拒否。
めげないサウスウッドは再びヨーロッパで、アイデアを実現してくれるオランダの小規模なタバコ会社を見つけた。
そして、製品を販売店に持ち込む勇気があるタバコ卸売業者が現れなかったとしても、自らタバコの葉のブレンドをちょうど良くするべく、短い間 再び喫煙を始めた。
彼は語る、「卸売業者は主要なタバコ会社からの圧力が怖いんだと思います」。

私は喫煙者ではないので疎いが、デスシガレットはイギリスで1991〜99年に販売されたという。
ブラックユーモアというか洒落のキツい商品というわけではなく、切実な願いから生まれたモノだったのだ。
サウスウッドは、2009年に71歳で死去。
彼が肺がんで亡くなっていたら皮肉だが、ウィキやIMDbには そこまで書いてなかった。

デスシガレットの延長線上で、喫煙率低下・嫌煙度を高めるための凄まじいグロ写真パッケージを使ったタイ タバコは有名だが。
日本では「健康のため吸いすぎには注意しましょう」などの一行表示が1972年からあったものの。
2005年から「喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。疫学的な推計によると、喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります。」と、表示は厳しくなったが。
視覚的なインパクトを伴った嫌煙デザインのタバコは、未だ販売されていない。

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『ジュラシック・ワールド / 炎の王国』

『ジュラシック・ワールド / 炎の王国』を観た。
アメリカより、東南アジア圏の方が2週間も早い公開なんだね。
シリーズ第5作、旧三部作に出演したジェフ・ゴールドブラムとB・D・ウォン(4作目で再登場、今回も続投)が助演している。
恐竜のCGIは、もはや当たり前にヤツらが実在してるような気にさせる出来栄え。ここまで来ると、我々を驚かせるには演出・見せ方しかないだろうな。

監督はスペイン出身、ホラー・ダークファンタジー系のJ・A・バヨナ。
制作総指揮のスピルバーグに似て、子役の扱いが上手いところも共通しているから任されたのだろう、大資本の娯楽作を無難に演出している。

クライマックスだと思っていた、イスラ・ヌブラル島の火山大噴火エピソードが中盤であっさり終了する構成には驚いた。
後半はアメリカ本土に舞台が移り(日本版ウィキではイギリスと書いてあったが、カリフォルニアじゃないの?撮影はイギリスのスタジオでも行われたようだけど)、『レベッカ』のマンダレイや『市民ケーン』のザナドゥを彷彿とさせるゴシック大邸宅(恐竜骨格展示室の採光ガラス天井は、後半 上手く使われる)の地下施設に、某財団によって救出された恐竜が運ばれ、腹に一物ある若い運営者とバイヤー(レイフ・スポール と トビー・ジョーンズ)によって、好事家や利用目的のある連中に競売されてしまう。
この辺から、バヨナ監督の ご趣味であろうゴシックホラーな雰囲気も漂って、面白いことになった。
月が かかる夜空が背景、邸宅の屋根に新恐竜インドラプトル(インドミナスラプトル、国名とは関係なし)がよじ登って ひと吠え!

今回の子役は、老いた財団創設者(ジェームズ・クロムウェル)の孫娘(イザベラ・サーモン)。バレエかフィギュアスケートでもしてそうな美少女だ。
宮崎アニメみたく邸宅の外壁を伝って逃げるシーン、ベッドに潜りこみ泣いてるところにラプトルの手が伸びるシーンは『怪物はささやく』(2016)の再現か。ガラスをのぞく彼女の顔に恐竜の開いた口が映り込み、耳まで裂けたように見えるカットは面白い。
パヨナ組の常連 ジュラルディン・チャップリンが演じる家政婦は、『レベッカ』のジュディス・アンダーソンみたいな怖い役割と思ったが、そうでもなく最後の方は行方不明。恐竜に食われたか?
登場する恐竜では、てっきりパキセファロサウルスと思った石頭の小型恐竜 スティギモロクが大活躍。笑わせてくれます。
恐竜の歯を抜きコレクションしてる、傭兵隊長(テッド・レヴィン)のモチベーションがよく分からん。単なるサディストというわけでもなさそうだし。

次作では、いよいよ恐竜の群れが都市に乱入(恐竜特撮映画の古典『ロストワールド』風に)するか。
ひねった作劇が無く ちょっと食い足りないが、料金分は楽しめる家族向け娯楽作。

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インド映画『トイレット』

移動中に観たインド映画 Toiret : a love story(2017)は、不浄を持ち込まないという宗教上の理由もあるのか、家にトイレが無く今なお屋外や公共の場所へ行っての排泄が当たり前の地域が多いインドの村を舞台にした、コミカルな社会風刺劇。昨年夏に本国で大ヒットしたという。
夜はライトアップされ そびえる高台の寺院と色粉をかけ合う祭りの空撮、農村風景の美しい撮影、室内の人物を追う流麗なキャメラ移動。高度な映画技術と内容(クサい話)のギャップが凄いですが。
干し草の上や牛車が通り過ぎる道で登場人物がスマホをしてなきゃ、現代劇とは思えないですね〜。

早朝、道端の草むらに並んでしゃがみ用を足してる女性たち。トラクターで通り過ぎる時に からかった口ヒゲの伊達男(自転車屋)が、石を投げて怒った気丈な娘(例えるなら、インド版 白石麻衣)に一目惚れする。
あの手この手の猛アタックで遂に結婚するが、広い敷地なのに男の家にはトイレが無く…。
娘が用をたすため停車中の列車トイレに入ったら、ドア前に荷物を積まれて出られなくなり発車しちゃうエピソードも。

男の家の老母が用を足しに出るとき転倒する一件もあり、ラストは夫婦の陳情が国を動かし、当たり前だった習慣に一石を投じる事になる展開。実話に基づくとの事で、モデルになった夫婦の写真がラストに出ます。

遠くに寺院が見える夜の草原を、列車が通り過ぎるビジュアル(VFXらしい)は良かった。

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『ふたりの女』とエレオノラ・ブラウン

某ブログのコメント常連・しいちゃん様(面識はありません)が、伊仏合作映画『ふたりの女』(1960)でご贔屓だったというエレオノラ・ブラウン。
本作でアカデミー主演女優賞ほか多くの賞に輝いたソフィア・ローレンの娘を演じた女優、映画初出演だったようです。
海外版ウィキによると、1948年 生まれ。
第二次世界大戦後に赤十字の仕事でイタリアに赴いた米人と現地女性のハーフで、『ふたりの女』の後は助演者としてジャンヌ・モロー主演の『ジブラルタルの追想』(1967)や、日本未公開のマカロニウエスタンにも出てます。
『カロリーナ』(1967)っていう日本公開作品は知りませんでした、これはアン=マーグレット主演だそうですね。

しいちゃん様が、第二次世界大戦中の悲劇『ふたりの女』のブラウンを忘れられないのは、時代的に直接描写は無いですが、黒人兵士(北アフリカの植民兵)による集団レイプと 太ももを露わにし倒れている その後の場面ゆえ?
多感な時期に観た映画では、可憐な女優の汚れ役が印象に残るもの。巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督、撮影当時まだ12歳の新人子役女優に、大変な役をやらせたのですね。
ただし、レイプ後の放心した表情などを少女に演じさせる事は、当時も今も酷な話。その辺の配慮はあり、別設定の撮影で引き出した表情を使ったようです。
母娘が好意を寄せていた故郷の村の青年(ジャン=ポール・ベルモンド、敗残ドイツ兵の道案内をさせられる)の死を知らされてブラウンが見せる、クライマックスの演技と涙は、彼女の両親がアメリカで交通事故死した事を伝える電報が来た と監督が言った事で得られたといいます(事故死は事実でなく嘘のようですが、『自転車泥棒』などで素人役者を巧みに使ったデ・シーカ監督の演出術が垣間見えるエピソード)。

そんなわけで、可愛くはあるものの、しいちゃん様が思ったほどの演技派女優では無かったブラウン。
学園を舞台にした お色気と殺人のイタリア ジャーロ映画 Nude... si muore (1968)では久々の主演格で下着姿も披露しましたが、これを最後に事実上の引退。エログロ度を強めてゆく映画界に見切りをつけたか。
ローマの大学卒業後、1970年代以降は顔出しせず吹き替えや、イタリア議会の翻訳の仕事で活躍。
2014年、往年のイタリア映画に出演した子役スター(『ニュー・シネマ・パラダイス』のサルヴァトーレ・カシオなど)にインタビューしたドキュメンタリーに出演。昨年 夫と死別後、久しぶりに劇映画出演したそうです。

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