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『結婚行進曲』

日本映画専門チャンネルで観た、市川崑の東宝第一回作品『結婚行進曲』(1951.12)。 期待してなかったが、面白い都会派コメディだった。
恋人の伊豆肇が会社をクビになり、怒った杉葉子(綾瀬はるか似ですよね)は営業部長のダンディな上原謙の邸宅に乗り込み、夫人の山根寿子に直談判。
その早口トークに惚れ込んだ上原は彼女をスカウト、セールスウーマンに雇って…。

会社は鋳造工業系でドアノブなどを作っているのだが、工事現場へも颯爽と出向き売り込む彼女の映像に、営業成績表の棒グラフアニメがオーバーラップ。
ぶっちぎりの売り上げで成績表の上まで伸びた棒が、クイッとターン。さらに下まで行って再ターンするのには笑った。
『億万長者』(1954.11)でも、核爆弾の恐怖で東京から沼津までダッシュする木村功に爆心地からの安全圏内距離がオーバーラップしたが。
アニメーター出身・市川ならではの視覚ギャグですね。

「当社の製品は頑丈で、ドアノブが すっぽ抜ける事はない」と杉はセールストークするが、営業部長の家に使ってあったのは…。
夫人の山根からの電話で上原が部屋のドアを慌てて開けると、すっぽ抜け 後ろに でんぐり返る!
スタントマンを使っているだろうが、あまりの派手さに爆笑。
なお、その前に杉も椅子に つまづき、見事にコケている。

上原と杉は原節子の出ている映画を観るが、これが何と成瀬巳喜男の名作『めし』。
製作の藤本真澄、シナリオの井手俊郎が本作と共通なので可能だった楽屋落ちだろう。
我々には時系列感覚が無いが、『めし』の公開は本作公開の約1ヶ月前、1951年11月なのだ!
映画ファンには言うまでもなく、上原と杉は こっちにも出演。
上原はスクリーンに映った「主演男優」の名を杉に聞いて、アクビをする。

若い2人と営業部長夫妻(ネットで読めるキネ旬のストーリー紹介で、上原は社長役となっているが、違う。社長は村上冬樹が演じており、出番は少ない)のアレコレに、風変わり・個性的な人物が絡んで、越路吹雪のビギン・ザ・ビギンまで聞ける。
年末公開の正月映画ならではのサービスか。
東宝技術部は、マット合成と相当数の場面転換ワイプ処理でテンポアップに貢献。額縁の山根の写真が動いたりもする。
80分強で終わるのもありがたい。

J・KOYAMA * ターンノーン通信 2015〜 * comments(0) * pookmark

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