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となりの『ふたりのイーダ』の片隅に

日本映画専門チャンネルで、『ふたりのイーダ』(1976.11)を観た。

松谷みよ子の童話が原作、松山善三監督が制作委員会形式(学校などの団体鑑賞向けに券を売ったりするパターンの興行か)で作った良心作。初見。
山田洋次 脚本協力、木下忠司 音楽、村木忍 美術。
倍賞千恵子、山口崇、森繁久彌、松山夫人の高峰秀子と役者も一流。
広島の田舎・花浦(架空の地名か)が舞台。シングルマザーでライターの母(幼い頃 被曝している設定)が瀬戸内で取材中、花浦の祖父の家で ひと夏を過ごす事になった小4と3歳の兄妹(上屋健一 原口祐子)が、廃屋となった洋館で、動き喋る不思議な椅子に出会う。

原爆忘れまじと鎮魂がテーマだけに。
ファンタジーでも原作とは違い、祖父の家で兄妹が、広島や長崎の惨状を記録した写真集を開くくだりもあって油断できない。
タイトルの意味だが、ふたりのイーダとは。
「イーッだ!」するのがクセでアダ名がイーダの妹と、洋館の椅子の持ち主だったらしい少女イーダ(外人ではなく日本人。原爆で亡くなったことが暗示される。アンデルセンの童話「イーダちゃんの花」が好きだったので、椅子は名をイーダと覚えていたという設定)のこと。
椅子は、廃屋に やって来た妹をイーダと間違えたのだ。

この映画、イロイロと ご趣味の方も必見。
特撮ファンには、『ひょっこりひょうたん島』で有名な ひとみ座が担当した椅子。マリオネット式か?アウトドア場面が多いのに、実に巧妙な操演で驚きます。声は宇野重吉。原爆ドームで椅子が佇むシーンもある。
当時、テレビアニメ『タイムボカン』『ガッチャマン II』などでも使われたスキャニメイト画像を使った、水底から突き出る原爆犠牲者の腕や首の悪夢的イメージ。

モノクロで撮影した800本の走査線を持つビデオ映像を、アナログコンピューターで変換、カラライズ加工するもの。当時、東洋現像所に一台だけ納入されていたという。
あと、虹を扱っているのに、これまたダークな悪夢のアニメも挿入されます。
学校から動員で観に行って、トラウマになった人もいたんじゃないか。
あとは…すっぽんぽんで走り回る幼女ですかね?
なんせ文部省やPTA推薦の映画ですから、堂々と観るべし。
クレジットされてる、田中筆子(資料では氷屋のおばさん役)と大井小町(往診の看護婦か?)の出番が分からなかった。

ビジュアルと内容から、『となりのトトロ』『八月の狂詩曲』『この世界の片隅に』のファンは観ておくと良いだろう。

J・KOYAMA * ターンノーン通信 2015〜 * comments(0) * pookmark

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