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1964年当時の香港の匂いが伝わってくる、『ならず者』

山の伐採飯場を舞台にした同名の東宝映画を日本映画専門チャンネルで少し前に観たが、この『ならず者』(1964.4 東映)は、香港・マカオロケのアクションもの。
高倉健主演のギャング映画の中でも、秀逸な作品ではないか。
ボス(安部徹)に裏切られた殺し屋の復讐劇である。
東宝の『香港の夜』(1961)、前々年の社長シリーズや前年のクレージー映画でも観光地巡り的な香港ロケは敢行されているが、ノワール映画らしく澱んだ色彩で捉えられた東京オリンピック前の香港は、いちだんと魅力的。撮影は林七郎だ。

香港麻薬ボス役の丹波哲郎も好演。 裏切った愛人 三原葉子を射殺する前、部屋にあるピアノの鍵盤を拳銃でポロンとやるカットがたまらない。マカオの石畳がある裏町でロケされた銃撃戦も必見だ。
あと、香港のスラム(九龍城ということだが、ロケ地は別の場所かも)で、道に立ってる子供を高倉がひょいと跨いで行くカットはアドリブだろうが面白い。
殺される、宿の食堂の点心売り少女を演じた高見理沙は、この年に4本ほど出演したあと、引退したようだ。

アクション以外では、健さんと南田洋子の名場面(胸を病んでいる娼婦役の南田、喀血し苦しんでいる時、健さんが喉に詰まった血を吸い出してやる。変則キスシーンですな)が忘れがたく、健さんを待っている南田を鳥瞰で小さく捉えた、ラストシーンの余韻も たまらない。
加賀まりこは横浜のシーンのみ。杉浦直樹は麻薬Gメン役で健さんと絡み、江原真二郎が賭場のシーンで登場。

最後に、ククさんという方が2005年に書かれたブログを引用、一部追記する。
…本作にインスパイアされ、ジョン・ウーがチョウ・ユンファ ダニー・リー主演の『男たちの挽歌・最終章』(1989)を作ったことは有名な話。
『ならず者』の香港公開タイトルが『雙雄喋血記』なのに対し、『狼』の原題が『喋血雙雄』である。
「喋血」というのは、中国語で “あたり一面血の海” みたいな意味。つまり、激しい争いそのものを象徴するような言葉だと思う。ジョン・ウーの映画、いつもクライマックスが「喋血」だよな。…

そうだったのか!

J・KOYAMA * ターンノーン通信 2015〜 * comments(0) * pookmark

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