<< January 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< カトリーヌ・ドヌーヴの『反撥』 | TOP | 『袋小路』とライオネル・スタンダー >>

東映の特撮戦争映画『南太平洋波高し』

日本映画専門チャンネルで、『南太平洋波高し』(1962.1 ニュー東映)を観た。
渡辺邦男監督、太平洋戦争末期の特攻隊(神風と人間魚雷回天)モノ。だが悲壮感は控えめで、ダイナミックな特撮シーンがふんだんに盛り込まれた良作であった。
モノクロ撮影の戦争映画にありがちな、記録映像使用が無いのも頼もしい。
東映だから特撮は矢島信男と思ったら、上村貞夫と木村省吾の担当。成田亨がノンクレジットで美術参加しているという。
地味な印象の特撮監督・上村(1903〜76)だが、実力派で新東宝時代は『ブンガワンソロ』『戦艦大和』『明治天皇と日露大戦争』『空飛ぶ円盤恐怖の襲撃』『スーパージャイアンツ』シリーズなどに参加、東映に移ってからの『飢餓海峡』『黄金バット』は代表作か。
テレビでは、『キャプテンウルトラ』『魔神バンダー』などを担当。
本作は、映画雑誌などのスタッフデータに上村の名が載っておらず知らなかったが、特撮戦争映画の大作と言える。

『眼下の敵』(1957)風の、海底から水面を見上げたアングルの潜水艦シーンがふんだん。実際に特撮プールでの水中撮影だ。
これは私の直感だが、他にもハンフリー・ボガート主演『北大西洋』(1942 日本公開51)の海戦特撮シーン(ナチUボートの水中特撮もある)とジェフ・チャンドラー主演『全艦発進せよ』(1956)の神風特攻特撮は参考にされているんじゃないか?
あと、小学校や基地で米軍機が機銃掃射する時の弾着が上手いのと、人間魚雷が潜水艦から発進するカットで固定具の鎖?が外れる描写に感心した。
作り込んだ米軍艦のミニチュア艦橋に、特攻機が突っ込む特撮がクライマックス。回天の母艦である潜水艦も、浮上して特攻する。同期の桜や軍艦マーチも鳴り響く。

鶴田浩二 梅宮辰夫 千葉真一 高倉健ら東映スターに加え、冒頭ちょっと出るだけの回天搭乗員に丹波哲郎。
田崎潤が、東宝から司令官役で出張。
健さんが艦長の潜水艦には、ヒゲ面の南廣も乗っている。絡みはないが中山昭二まで出演。
特撮ヒーローものつながりで行くと、大村文武 波島進 小嶋一郎といった和製ヒーロー役者も揃ってご出演だ。
水木襄が演じる回天搭乗員の姉・久保菜穂子の長男を演じているのは、撮影当時12歳くらいの住田知仁こと風間杜夫らしいが、ノンクレジット。
もう1人、小学校で寂しそうにしている親のいない男児で、エンディングも締める子役の名が不詳。

J・KOYAMA * ターンノーン通信 2015〜 * comments(0) * pookmark

コメント

コメントする









トラックバック

このページの先頭へ