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『袋小路』とライオネル・スタンダー

シネフィルWOWOWで、ロマン・ポランスキー監督『袋小路』(1966 日本公開71 イギリス)を久々に観た。
タイトルはカルデサック=袋小路=行き止まり。
普段は車で行ける一本道があるが、満潮時は冠水し孤立する島が舞台。城跡を買い取り住居にして自給自足するゲージツ家?変人夫婦のところに、手負いの2人組ギャングが逃げ込んでくる話だ。
サスペンス映画の一種だが、ブラックコメディの味も。
撮影は、『反撥』に続いてギルバート・テイラーが担当している。
ドナルド・プレザンスが、キレた怪演。『大脱走』の彼しか知らずに本作を観たら、仰天しただろう。再婚した若く奔放な奥さんは、カトリーヌ・ドヌーヴの姉フランソワーズ・ドルレアック(公開翌年に25歳で自動車事故死)。島の青年(イエイン・クウォーリア、カナダ出身の男優で『吸血鬼』にも出てる)ともう浮気中。
中盤でギャングの1人ジャック・マクゴウラン(遺作は『エクソシスト』)は死ぬが、もう1人のイカついおっさんライオネル・スタンダーは最後まで大暴れ。印象に残る。

この男優を初めて認識したのは、1975年夏に月曜ロードショーで放送した泥棒映画のシリーズ第3弾『新・黄金の七人7 × 7』(1968)。イギリスじゅうがサッカー中継に夢中の休日、刑務所から一時脱走して造幣局に侵入、紙幣を印刷しちゃおうという七人の完璧な計画を引っ掻き回す、囚人役であった。
この少し前にリバイバルされた『ウエスタン』の駅馬車中継所主人か!と気付いたが、『ロイドの牛乳屋』(1936)『ダニー・ケイの牛乳屋』(1947)に同じ役で出ているハリウッドの古参俳優と知りビックリ。
ガラガラ声で、面構えはアーネスト・ボーグナインの先輩格か。
1930年代から続くハリウッドでのキャリアは、赤狩りの影響で1950年代初頭に途切れ、映画に出ずサマーストックシアター(リゾート地などで、夏だけ専属俳優を使って数日ごとに異なる演劇を公演している劇場)やウォール街でブローカーのような事もしていたらしい。
60年代からボチボチ再起、どういう経緯かイギリス映画に出演。曲者俳優が集結したブラックコメディ『ラブド・ワン』(1965)あたりから強烈な脇役として再登場、そして本作となる。
渡航時期不明だがイタリアが気に入ったようで、ローマに住みマカロニウエスタンやマカロニアクション、艶笑コメディにも多数出演。
大作『カサンドラクロス』(1976)の後、『ニューヨーク・ニューヨーク』(1977)などでハリウッド復帰した。
テレビ『探偵ハート & ハート』(1979〜84)の執事マックスは人気に。その余波か、スピルバーグの『1941』にも出演。
ブロンクス出身で生涯に6度結婚、1994年に86歳で死去。ヨーロッパで過ごした時期もあったが、終焉の地はロスであった。

中盤の暗い浜辺のシーンで、7分以上の長回しあり。
ブレイク前のジャクリーン・ビセット(『ブリット』『大空港』『オリエント急行殺人事件』などで、一時期アイドル的人気だった英国女優。実力派として現役、独身を貫いている)が、サングラス姿で後半に登場。

J・KOYAMA * ターンノーン通信 2015〜 * comments(0) * pookmark

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