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『勲章』

日本映画専門チャンネルで、渋谷実 監督のブラックな風刺コメディ『勲章』(1954.4 俳優座=松竹)を久し振りに観た。2005年にNHKBSで観て以来。
再軍備・国防費増強。右寄りキナくさい世相の今、観るべき怪作である。
警察予備隊→保安隊から自衛隊となる約3ヶ月前に封切り。脚本(渋谷 劇作家の内村直也と共同)の橋本忍は、代表作となる『七人の侍』公開を2週間後に控えていた。

戦後、失墜した権威回復を狙う元陸軍中将・小沢栄太郎(小沢栄 名義)の奮闘と挫折の物語。
風呂で彼の背中を流す、部下(南方で戦犯となり収監、ようやく帰国)だった東野英治郎!濃すぎるシーンです。
佐田啓二 香川京子 岡田英次 岩崎加根子 東恵美子 小沢昭一といった当時の若手も出ているが、毎度のように達者な金貸し役の杉村春子、保安隊にいる松本克平、傘直し兼 今川焼屋に落ちぶれてる やはり元中将の千田是也(身重の若妻役は菅井きん)、郷里の戦友会シーンで登場する田島義文や花沢徳衛が目立ってる。

天本英世がノンクレジット出演していたと自著で書いていたので、チェック。出番は冒頭の結婚式シーンの客役と思っていたが、見当たらず。中盤、小沢の主催する再軍備促進団体・東亜あけぼの会 講演会の聴衆の中にいた。セリフなし。
なお、天本は『広場の孤独』(1953.9 新東宝 記者役でセリフあり ノンクレジット)が最初の映画出演。ついで本作だが、公開順は『勲章』より『女の園』(1954.3 松竹 教授役でセリフあり ノンクレジット)が先だった。
正式デビューは、『二十四の瞳』(1954.9 松竹)の高峰秀子演じる大石先生の夫役である。

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Cat walks ❼

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1964年当時の香港の匂いが伝わってくる、『ならず者』

山の伐採飯場を舞台にした同名の東宝映画を日本映画専門チャンネルで少し前に観たが、この『ならず者』(1964.4 東映)は、香港・マカオロケのアクションもの。
高倉健主演のギャング映画の中でも、秀逸な作品ではないか。
ボス(安部徹)に裏切られた殺し屋の復讐劇である。
東宝の『香港の夜』(1961)、前々年の社長シリーズや前年のクレージー映画でも観光地巡り的な香港ロケは敢行されているが、ノワール映画らしく澱んだ色彩で捉えられた東京オリンピック前の香港は、いちだんと魅力的。撮影は林七郎だ。

香港麻薬ボス役の丹波哲郎も好演。 裏切った愛人 三原葉子を射殺する前、部屋にあるピアノの鍵盤を拳銃でポロンとやるカットがたまらない。マカオの石畳がある裏町でロケされた銃撃戦も必見だ。
あと、香港のスラム(九龍城ということだが、ロケ地は別の場所かも)で、道に立ってる子供を高倉がひょいと跨いで行くカットはアドリブだろうが面白い。
殺される、宿の食堂の点心売り少女を演じた高見理沙は、この年に4本ほど出演したあと、引退したようだ。

アクション以外では、健さんと南田洋子の名場面(胸を病んでいる娼婦役の南田、喀血し苦しんでいる時、健さんが喉に詰まった血を吸い出してやる。変則キスシーンですな)が忘れがたく、健さんを待っている南田を鳥瞰で小さく捉えた、ラストシーンの余韻も たまらない。
加賀まりこは横浜のシーンのみ。杉浦直樹は麻薬Gメン役で健さんと絡み、江原真二郎が賭場のシーンで登場。

最後に、ククさんという方が2005年に書かれたブログを引用、一部追記する。
…本作にインスパイアされ、ジョン・ウーがチョウ・ユンファ ダニー・リー主演の『男たちの挽歌・最終章』(1989)を作ったことは有名な話。
『ならず者』の香港公開タイトルが『雙雄喋血記』なのに対し、『狼』の原題が『喋血雙雄』である。
「喋血」というのは、中国語で “あたり一面血の海” みたいな意味。つまり、激しい争いそのものを象徴するような言葉だと思う。ジョン・ウーの映画、いつもクライマックスが「喋血」だよな。…

そうだったのか!

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『ガガーリン 世界を変えた108分』

シネフィルイマジカで、ロシア映画『ガガーリン 世界を変えた108分』(2013 翌年に日本公開済)を観た。
映画がロシア=旧ソ連版『ライトスタッフ』になっちゃうのは仕方ないですけど、世界初の宇宙飛行士となる候補生の婦人たちの描写など、ソックリ。
1961年4月の歴史的打ち上げ前夜から始まり、ガガーリン(ヤロスラフ・ザルニン)の過去がインサートされる構成。
映画は113分だが、本編の長さは彼が宇宙にいた時間108分に合わせてあるようだ。
VFXは優秀で、バイコヌールでのヴォストーク1号打ち上げシーンに『オネアミスの翼』を思い出す御仁もおられよう。液化燃料が超低温のため、ロケット表面を覆った氷が剥がれ落ちる描写は無いですが…。
「地球は青かった」ってセリフは、最後まで出なかったですね。
そうそう、劇中で第2宇宙速度って言ってました!『妖星ゴラス』以来ですな。

偉業を成し遂げたユーリ・ガガーリンは、ソ連の広告塔となり世界行脚。日本にもやって来た。自分を取り巻く状況の変化から、酒に溺れたり自傷行為に及んだともいう。
その後、宇宙に行くことは無かった。
1968年にミグ戦闘機を操縦中に謎の事故死。最後の階級は大佐、享年34。

映画でもライバルとして描かれたゲルマン・チトフ(映画ではヴァディム・ミシュマンが演じた)は彼に遅れること4ヶ月、ヴォストーク2号で宇宙へ。
航空大将まで上り詰めたあと政治家に。2000年にサウナ入浴中、心筋梗塞で急死した。享年65。

映画には、設計者のコロリョフ(ミハイル・フィリポフ)宇宙計画統括のカマニン将軍(ウラジミール・ステクロフ)フルシチョフ書記長(ウラジミール・チュプリコフ)も登場する。

なおスクリーンサイズ、IMDbではワイドとなってるが放送版はビスタであった。

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Cat walks ❻

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『パシフィック・リム アップライジング』

『パシフィック・リム アップライジング』を観た。
いよいよエヴァンゲリオンとのシンクロ度高し。我がSFアニメでみたような、既視感ありまくりの展開は苦笑モノだが、これでもかの戦闘シーン演出に文句は出ない。私は前作より面白かった。前作でのバトルは、夜間や暗い海底ばかりだったが、今回は ほぼ白昼というのも意欲的だ。

エヴァ量産機を彷彿とさせるシャオ産業のイェーガー無人機、異次元からの侵略者プリカーサーに操られる科学者、ビーム攻撃のパワーでロボットが押し戻されるイメージ、シン・ゴジラ風ビル崩しで怪獣を足止め、わらわらと三大怪獣に群がり食い尽くすと見せて合体ツールだった群体レギオンみたいな小怪獣…。

2035年の東京バトル、超高層化したビルは仕方ないが、標識はともかく広告類が架空のものばかりなのは残念。日本企業とタイアップしリアリティを出して欲しかった。品川ナンバーの軽自動車は出て来ますがね。

ラストは、なんと「富士に立つ怪獣」(帰ってきたウルトラマン)ですか!

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怪物と恐竜

2月の初放送はタイミングが合わず観られなかった、NHKの特撮時代劇『荒神』の再放送を観た。
ネットで書かれていたほど悪くない。
内田有紀、背中に経文を入れるシーンで もちょっとサービスカットが欲しかったけど…。
本作の売りである怪物(怪獣とは呼ばれない)はハンザキ系で、バルゴン〜グラボイズ風の舌、バラゴン〜ガボラ風の足、パワードケムラー風の牙、シンゴジラ目で分裂増殖しそうな形態。白昼に出現し よく暴れており、感心。
ラストバトルは夜だが、闇夜ではなく円谷英二風な青白い夜。山寺の門が静かに崩れてから、怪物が這い上がって来るところが良い。
大魔神のエンディング風に、献身する内田。
すると蟲師風エフェクトで経文が怪物の体を覆い、白く溶解し絶命する。骨はどうなったか不明。
NHKはなんで、本作を樋口真嗣監督に任せなかったのかな。『精霊の守り人』をやってもらうよか、コッチでしょ。宮部みゆき原作の文庫版解説も書いてるのにねぇ。

このところ、動画サイトで『怪獣王子』(1967〜68)を再見していた。
昆虫人間編 21 22話に登場する、岩石落としが得意な恐竜(劇中では、恐竜と怪獣の呼称が統一されていない)パタセパウロザウルス。怪獣図鑑などではジゴロドン gigolodon or Jigorodon だが、劇中ではそう呼ばれる。
実在していた恐竜なのか、ピープロダクションスタッフの命名なのか、どうも分からん。でも、こんな名前はフツー思いつかんはず、綴りは化石発見者の名を取った Patasse paul saurusなのかな?
岩石落としの恐竜が、崩れた岩山に埋もれて絶命するのは皮肉。ネッシーも唖然としてました。
いつものネッシーは、長い首や尻尾の一撃で恐竜を転ばせた後、足で頭部を踏みつける戦法が得意。トドメはアニメ合成の火炎で焼き殺す。野性味あふれる格闘です!

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Cat walks ❺

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『怪獣王子』の音楽担当、半間巖一って誰?

『怪獣王子』の印象的な音楽を担当した半間巖一(ハンマゲンイチ)。知らなかったが、ジャズの凄い人だった。
Google+ アカウントに、本人による こんなプロフィールが。
以下、記述のWりを一部修正・補足しつつ引用する。

1929?年生。
戦後のジャズ全盛期、中央大学在学中に学生バンド結成、ジャズコンで競い合い、プロの資格も取得。
当時、日本を代表する音楽誌「スイングジャーナル」(1947〜2010休刊)の日本JAZZ人気投票 第1位に選ばれる。
NHK 出演の折に見出され, 海外放送を皮切りに ラジオ時代の『紅白歌合戦』第1回から参加。のちに音楽責任者を務めることになる。
NHKラジオ日曜 朝9時に放送されていた『音楽夢くらべ』では、即興のピアノ伴奏を11年間担当(幼少の吉永小百合が2回出演し、ともに天才賞を戴いた)。
『世界の音楽』『立体音楽堂』『花の星座 』に出演。
NHKオールスターズ オーケストラの専属 作編曲家に。代表作「ヴィヴァ NHK 」は、『紅白歌合戦』でも演奏される。
数々の一流バンドに在籍、著名歌手 有名バンドに関わり、作編曲(美空ひばり 江利チエミ フランク永井 坂本九 原信夫とシャープスアンドフラッツ 来日時にレコーディングしたポール・アンカほか)が認められ地位を確立する。
TV時代に入り、NHKや民放の看板音楽番組も数知れず担当。
博覧会のために『EXPO '70 大阪万博 エレニトニクス噴水(エレクトロニクスの誤記か?夢の池にある、イサム・ノグチの噴水か?)の音楽』『沖縄海洋博 アクアポリスの音楽』 。
歌舞伎とジャズの結び付き、東宝歌舞伎『長谷川一夫 沓掛時次郎 舞踏・春夏秋冬』『石橋(しゃっきょう)』 。
1970〜1990年代『TBS 日本レコード大賞』音楽監督。
戦後、日本に無かった数々の洋楽音楽を、音楽制作者 音楽プロデューサー 音楽構成者となって示し、現在の隆盛に導く多大な貢献をして来た事実に、喜びと誇りを感じています。

趣味に車、鉄道模型( ジオラマ) 、RCアンティーク飛行機 RCヘリコプターの製作 操縦。
園田 直(そのだすなお 1913〜84 元陸軍軍人で、外務 厚生大臣を勤めた) が会長の日本RCヘリコプター協会および、やはり園田氏が会長の「模型飛行機 すなお会」 元役員。
全国からの会員推薦で選ばれ、世話人代表として園田氏が お亡くなりになるまでの数十年間、「山中湖サマービックフェアー」を毎年 夏に開催。
園田氏は大会に無欠席のマニアでもあり、会員とも政治抜きの素晴しき友でした。ご冥福を心から会員一同お祈り申し上げます。
模型界の巨匠で京都東本願寺の名僧 大谷演慧(1914〜2008 鳥人間コンテストでも役員を勤めた)も、幹部会員では異色を放ちました。
TBS『日曜特バン』で取材、高視聴率で3回再放映。「週刊新潮」グラビアでも紹介。

…自筆の華麗なプロフィールに、ウソはなかろう。
ネット上から読み取れる情報だと、離れて暮らしていた長男とは長らく確執があったようだが、父・半間巖一は2015年10月に亡くなっていた。享年87。
長男には相続が つつがなく行われ、平穏の日々が訪れていると思いたい。

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Cat walks ❹

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